2020年5月27日、RPA(Robotic Process Automation)ソフトウェアを展開するUiPath(ユーアイパス)は新製品発表会を開催。ロボットを作る人と使う人をエンドツーエンドでつなぐ同社のハイパーオートメーションについて説明されたほか、クラウド型のオーケストレーター、「自動化の種」を発掘するためのツール、現場ユーザー向けの開発ツールなどの新製品がデモとともに披露された。
使い手と作り手をつなぐエンドツーエンドの自動化
発表会の冒頭登壇したUiPath 代表取締役CEO 長谷川 康一氏は、急拡大するRPA市場においてマーケットリーダーとなっている現状をアピール。海外の調査会社からはリーダーポジションを獲得しており、日本でも顧客満足度や売上シェア、大企業での浸透率などで第一位になっていると説明した。
UiPath 代表取締役CEO 長谷川 康一氏
ルーマニアで起業され、現在は北米に本社を持つUiPathだが、「A Robot for Every Person」というグローバルビジョンは日本から生まれたものだという。「RPAのプロジェクトはロボットを作るこなすことではなう、ロボットを使いこなす人財を育て、その人財を活躍させる組織を作ることである。これは日本のお客さまから学んだこと」と長谷川氏は語る。ロボットを使いこなす人財が生まれることで、はじめて人間は3M(面倒、マンネリ、ミスができない)という作業から解放され、より生産的で創造的な仕事にシフトできるという。
このA Robot for Every Personを実現すべくUiPathはRPAとAIを組み合わせた製品群を用意している。具体的には業務の発見、ロボットの開発、管理、実行、協働、測定などの各フェーズにおいて16種類もの製品を用意しており、「使い手と作り手をつなぐエンドツーエンドの自動化を実現するハイパーオートメーション」を実現するという。
UiPathのハイパーオートメーションを支える製品群
ポストコロナに向けた取り組みも披露した。先日は新型コロナウイルス感染症対策に関するRPA・AIの利活用のため、内閣官房との協働取り組みを開始し、西村国務大臣と日本マイクロソフトの吉田社長とともに協定締結を行なった。そして、これまでの当たり前ができなくなった状態でも事業継続が可能になるように、紙を必要とする商習慣や印鑑が必要な契約形態など会社や社会を変える必要がある説明。その上で、「Web会議やチャットの導入など、対処療法的にデジタル化しても効果は限定的。対処療法で終わるのではなく、次世代の業務を実効的に作るべき」と訴えた。
新しい働き方を提唱するUiPathとしては、ロボットを使いこなすいわゆる「ロボ人財」を組織内に育てることで、リモートワークであってもさまざまな作業をロボットが行なえる環境を実現。「在宅勤務でもロボ人財とロボが協働することで、危機対応を強化できる。業務のボリュームが増えても圧倒的なスピードで処理を完了することが可能になる」と長谷川氏はアピールした。