富士通研究所と中国の富士通研究開発中心(FRDC)は、カメラで撮影した映像から、複雑な手洗い動作を認識するAI「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)手洗い動作認識」を開発した。
手洗い動作認識画面のイメージ
近年、細菌やウイルス感染から人々の健康を守る対策として手洗いの重要性が再認識されている。食品事業者では、6月に施行される予定の「食品衛生法等の一部を改正する法律」によって、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を実施することが義務付けられ、手洗いが正しい方法で実施されているかを確認できる体制づくりが急務となっている。今回、富士通研究所とFRDCでは、映像から人のさまざまな行動を認識するAI「行動分析技術 Actlyzer」に手指動作の認識機能を拡張し、手洗い時の複雑な手指の動作を両手の全体形状と手洗いの一連の動きから自動で認識するAIを新たに開発した。行動分析技術 Actlyzer 手洗い動作認識によって、厚生労働省が推奨する正しい手の洗い方6ステップの実施と、各ステップでの手をこすった回数を正確かつ自動で認識することができる。また、同技術を活用することで、食品事業者など衛生管理が必要な現場での手洗いの実施漏れ防止や監視員による目視確認の工数削減を実現するとともに、人々の食の安全確保や感染症予防を支援する。両社は今後、さまざまな現場での実証を進めていくとともに、富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」の重要な技術として、継続して研究開発を進めていく。