検査不要で発見も?
新型コロナウイルスの感染拡大が世界を襲うなか、数々の最新技術を用いた人類の闘いが世界各地で繰り広げられています。このほどFitbitは、同社製のスマートウォッチやフィットネストラッカーをウイルスの早期検出に活かせないか調査する「Fitbit Covid-19 Study」をスタートさせました。
新型コロナウイルス感染者がアンケートに答えて参加
米国およびカナダに居住する、Fitbit製品のユーザーが対象で、22歳以上のコロナウイルス感染者または感染が疑われる症状を呈している人なら、だれでも参加可能。どのような症状だったか、これまでの病歴はどうかなどのアンケートに答え、Fitbit Covid-19 Studyへの参加を了承すると、Fitbitにスマートウォッチやフィットネストラッカーの測定データが提供されます。血中酸素濃度、呼吸速度、心拍数などのデータから、新型コロナウイルスの感染度を判定し、早期のアラートを発信できるアルゴリズムの完成を目指しています。
アルゴリズムで感染の早期発見につながる
すでに、これまでもScrippsならびにStanford Medicineと協力し、測定値からコロナウイルス患者を特定できるかの研究は進んでいました。しかしながら、Fitbit Covid-19 Studyによって、そもそも陽性反応を検出する前に、発熱やせきなどの症状すらなくても、アルゴリズムから感染の疑いを早期に警告できるようになるか、期待が高まってもいるんだとか。
ちなみにFitbitは、測定データと健康管理の連動を重視する数々の研究を行なっており、心房細動(不整脈)の発現で早期に心筋梗塞や心不全の危険察知について、米食品医薬品局(FDA)の認可を視野に入れた調査が進んでいます。Fitbit Covid-19 Studyの結果がFDAにも提出されて、よりオフィシャルな診断データにまで活用されるようになるのかは定かではありませんが、Fitbitは低コストの人工呼吸器の製造にも意欲を見せており、この分野での貢献には積極姿勢。Google(グーグル)による買収が実現すれば、ユーザーのプライバシー保護は大丈夫なのかと懸念する声も上がってはいますけど、もし早期検出アルゴリズムが成功すれば、スマートウォッチやフィットネストラッカーの存在意義は高まっていきそうですよね…。