2020年5月21日に公開されたiOSの最新バージョンである「iOS 13.5」に対応した脱獄ツール「unc0ver」が公開されました。記事作成時点で公開されているunc0verの最新バージョンは「5.0.1」です。
There's a Jailbreak Out for the Current Version of iOS | WIRED
脱獄ツールのunc0verを開発するハッキンググループによると、iOSには2017年9月にリリースされたiOS 11以降で動作するゼロデイ脆弱性が存在しており、unc0verはこの脆弱性に基づいて構築されているとのこと。unc0verは端末のバッテリーを無駄に消耗せず、Appleの提供するサービスを使用することに影響を与えたり、セキュリティを損なったりすることもないそうです。
unc0verの主任開発者は海外メディアのWIREDに対して、「unc0verの脱獄では既存のルールに例外を追加することで、ユーザーデータを含まない新しい脱獄ファイルとファイルシステムの一部の読み取りを可能にする」と語っています。なお、unc0verはオープンソースのツールではないため、iOSのどの脆弱性を利用しているのかについては明かされていません。
iOSを脱獄すると、ユーザーはOSをより詳細にコントロールすることが可能となり、Apple公式のアプリストアであるApp Store上に存在しないアプリもインストールすることができるようになります。また、攻撃者がデバイスのセキュリティを侵害するために脱獄ツールを使用することもあります。
数年前まではiOSの脱獄はより一般的なものでしたが、近年、iOSを脱獄することはより困難なものとなっています。その結果、有名な脱獄ツールのCydiaはサービスを終了することとなっています。