LGから新ブランドのスマートフォン「VELVET」が発売になります。といってもまずは海外でのお話。とはいえここのところ積極的に日本にも最新モデルを投入しているLGだけに、今年の夏以降に日本向け5Gスマートフォンとして発売される可能性は大いにあります。
LG VELVETはハイスペックな「Gシリーズ」や最新技術を搭載した「Vシリーズ」が他社のフラッグシップモデルほどの存在感を示せないことから、主力モデルの路線変更を大胆に行うべく登場するモデルです。SoCはSnapdragon 765を搭載し価格は10万円以下、5Gスマートフォンとして買いやすい製品となります。
日本でもこれから発売になる「V60 ThinQ」はパワフルで性能を重視したモデルです。それに対してVELVETはデザインを重視したライフスタイルパートナーという位置づけで、メインターゲットは30代の女性とのこと。それもあってか本体カラーはLGらしからぬAurora White、Aurora Green、Aurora Gray、Illusion Sunsetの4色。サンセットのグラデーション仕上げは美しく感じられます。この手の背面処理は他メーカーがすでに採用しており、LGは遅れての参戦なのでもうちょっと大胆な色にしてほしいとも思いますが、まずはVELVETブランド1号機ということで様子見というところでしょうか。
さてVELVETで特筆すべきは2点あります。まずはLGの上位モデルが立て続けに採用しているデュアルスクリーンケースへの対応。2460x1080ピクセルのディスプレイをもう1枚追加可能で、2つのアプリの同時表示にも対応。動画をながら視聴することが多い5G時代には便利なアイテムです。使い勝手はソフトバンクで「V8X ThinQ」を使っている人なら理解していることでしょう。新たにアプリ2つのセットを作り、ワンタップで2つのアプリを左右に表示する機能も追加されるなど、さらに使いやすくなっています。
またカラーはチタンとホワイトの2色となり、VELVET本体の色に合わせて好きなカラーを選べるようになりました。背面には見やすい小型ディスプレイも搭載され、閉じたままでもある程度の情報を見ることもできるようになりました。デュアルスクリーンケースも今までの機種よりさらに使い勝手が高められているわけです。
ちなみにVELVETとV60 ThinQは同じサイズのディスプレイを搭載していますが、VELVETのディスプレイは左右の角を落としたカーブ形状。そのため本体サイズもVELVETが167.2 x 74.1 x 7.9 mm、180g。V60 ThinQが169.3 x 77.6 x 8.9 mm、218gと異なります。今後もデュアルスクリーンケースの使いまわしはせず新機種ごとに新しいケースを提供していくのでしょう。
さてもう1つの特徴がスタイラスペンへの対応です。4096階調対応のスタイラスペン「LG Stylus Pen」が別売され利用できます。このペンはワコムの技術(Wacom AES 2.0)を採用するため充電が不要。すでに日本でも発売になっているLGの軽量薄型ノートPC、LG gramの2 in 1モデル(日本発売品は14T990-GA75J)でも採用されているものです。
同じワコムの技術を採用するサムスンの「Galaxy Note」シリーズとも互換があるのか、そのGalaxy Note向けに出ているステーショナリーメーカーLAMYのデジタルペンは使えるのか、などにも興味がわきます。いずれにせよ片側の画面を見ながらもう片側の画面にメモを取る、なんて使い方もできれば2画面スマートフォンの活用範囲も広がります。パームリジェクションに対応しているかどうかも気になるところ。
他の機能はカメラ画質がカメラが4800万画素+800万画素+500万画素で、広角のメインカメラをフルに使うなら不満はないでしょうね。フロントカメラも1600万画素あります。カメラでは動画撮影時の音声録画機能が強化されており、ASMRレコーディングやボイスアウトフォーカスなども搭載されています。このあたりは実際にどんな動画が撮れるかの実例をデモしてユーザーに使い方の認知を広げてほしいもの。5G時代のカメラは動画性能がより重視されていくはずですから。
本体価格は韓国で88万9800ウォン、約7万8000円です。24回払いなら月々3000円ちょっと。10万円以下の5Gスマートフォンはいまのところ中国メーカーの独擅場となっていますが、VELVETはそれらと比べても「2画面」「ペン」という大きなアドバンテージがあります。ペン対応になりビジネスユースにも使えることから、5Gスマートフォンの中でも大化けする存在になるかもしれません。ぜひ日本でも発売してほしいものです。
2020-05-08 19:22:43