SamsungがGalaxy S10から導入した、スマートフォンの背面にイヤホンやスマートウォッチを乗せて充電できるワイヤレスパワーシェア。通称「ワイヤレスリバースチャージ」「ワイヤレス逆充電」などとも呼ばれるこの機能は、HUAWEIもMate 20 Proから同様の仕組みを搭載したことで広がり、現在では搭載機種も相応に増えています。
そうした動きをさらに加速させそうな仕様が、非接触通信NFCの規格をとりまとめる団体であるNFCフォーラムから発表されました。これらとほぼ同じ発想となるワイヤレス充電仕様(WLC)です。SamsungやHUAWEIのワイヤレス逆充電機能は、無線充電の標準規格とも言えるQiを利用していますが、NFCフォーラムが発表したのは、NFCをベースとして利用したもの。このため、供給できる電力は最大で1Wと極めて少ないものになります。
その代わり大きなメリットとして、既存のNFC用回路をそのまま利用でき、追加の充電専用ハードウェアは必要ない点をアピールしています。
また、出力1Wといえども、小型のIoTデバイスやワイヤレスイヤホン、スマートウォッチを充電するには十分とのこと。もちろん急速充電などは行えませんが、出先で電池切れになりそうな場合には便利でしょう。
「NFCフォーラムのワイヤレス充電仕様は、プラグやコードを排除することで、より小型で密閉されたデバイスの作成を可能とし、真に変革的なものになる」とNFCフォーラムのチェアマン田川晃一氏はプレスリリースの中で述べています。
NFCフォーラムはAppleやSony、Googleがスポンサーであり、SamsungやLG、HUAWEI、Microsoftなども参画しています。そのためこのWLCも、スマートフォンの有力メーカーが使える仕様ともなるため、将来的には「メーカーを問わず、ワイヤレスイヤホンをスマートフォンの背面で充電できる」仕様ともなる可能性を持ったもの。
ただし当然ながらこのWLCは、まだ仕様が発表されたばかり。今後広く普及する可能性はありそうですが、実際に搭載機器が利用できるようになるまではもうしばらくかかりそうです。