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ウイルスを中和する「有望な」抗体発見、オランダ研究 新型コロナ

米疾病対策センターが作成した新型コロナウイルスのイメージ図(2020年2月3日入手)。

【AFP=時事】新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の細胞への侵入を阻止できる抗体を、オランダの研究チームが実験室内での試験で同定した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法開発に役立つ可能性のある研究成果だという。

4日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された論文によると、新型コロナウイルスを中和したこの抗体は「COVID-19の予防や治療に向けた可能性をもたらす」という。動物実験や臨床試験はまだ実施されていない。

オランダのユトレヒト大学とエラスムス医学センターの研究チームは、コロナウイルスが細胞に侵入するために用いるスパイクタンパク質を精製したものを、「ヒト化マウス」の細胞に注入した。実験では、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こすコロナウイルスを含むさまざまな種類のコロナウイルスのスパイクタンパク質を使用した。

予防接種に似たこの処置により、ヒト化マウス細胞は複数の中和抗体を生成。研究チームはこれらの抗体を精製し、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2と、SARSを引き起こすSARS-CoVの2種類のコロナウイルスに対して試験した。その結果、抗体の一つが、両方の病原ウイルスの細胞への侵入を阻害するのを確認した。

今回得られた結果について、研究に参加していない専門家らは、新たに発見された抗体が治療法として機能するかどうかが分かるのはまだ先のことだとコメントしている。

英ウォーリック大医学部の名誉講師のジェームス・ギル氏は、「非常に前途有望」な結果としながらも、「実験室のペトリ皿内の細胞群でウイルスを中和する抗体が見つかったというだけでは、患者でも同じ反応が期待できるわけではない」と指摘し、注意を促した。【翻訳編集】AFPBB News



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