なかなか出てこない新型 Oculus Quest の話題。最新のうわさでは、小型軽量化やリフレッシュレート向上、新設計コントローラなど新モデルに向けたテストは進んでいるものの、新型コロナウイルスの影響で、出荷は年内予定から来年にずれ込む可能性がありそうです。
新型 Oculus Quest について伝えたのは、古巣のアップル系うわさサイト 9to5Mac 時代から「匿名の関係者によると」ネタで定評あるMark Gurman氏。いわく、Facebook は複数の新型 Oculus Quest をテストしており、新仕様にはヘッドセットの素材変更や小型・軽量化、リフレッシュレートの向上(90Hz以上)、新設計のコントローラ等が含まれるとのこと。
現行の初代 Oculus Quest が発売されたのは、ちょうど一年前の2019年5月。中身はミッドレンジスマホ級のプロセッサ Qualcomm Snapdragon 835 、4GB RAM、64GBまたは128GBストレージ、ディスプレイは片目1440 x 1600ピクセルで最大72Hz書き換えの有機EL、トラッキング用のカメラは4つでした。重量は571g。
同時期に発売されたPC接続型VRヘッドセットのOculus Rift Sは重量500g。
Gurman氏(が得たという匿名の関係者)の話によれば、テスト中の新型Questは10%から15%の軽量化とされており、ちょうどRift Sと同等かやや重い程度になります。(Rift Sは有線接続必須なので、ケーブルのテンションもありますが)。
そのほかの変更点・改良点は、
・ヘッドセット本体の外装がファブリックからプラスチックへ
・ヘッドストラップが現在のラバーよりも伸縮性のある新素材へ
・コントローラはバッテリーカバーが外れる問題などを改良した新設計、従来モデルと互換性あり
・ディスプレイのリフレッシュレートは最低でも90Hz。120Hzも可能だがバッテリー駆動時間のため90に制限を検討。
新型は複数のバージョンをテスト中だがどれが製品になるか、複数モデルになるかもまだ未定、新型と現行モデルの併売も置き換えも未定。要するに、作ってはいるもののまだ先の話なので未定のことばかり。
発売時期については、例年秋に開催していた開発者イベント Oculus Connect のあと年内を予定していたものの、新型コロナウイルスが開発と製造流通に与える影響から、2021年への後ろ倒しの可能性もあるとしています。
ディスプレイ以外の中身については情報なし。現行のOculus Questにプロセッサを提供するQualcommは、VR / ARヘッドセット向けプロセッサとして Snapdragon XR2 を発表しており、採用製品のリファレンスデザインも公開しています。
そちらの仕様は、いまのQuest の Snapdragon 835比で CPU / GPU は2倍、ビデオ帯域は4倍、扱える解像度6倍、AI処理が11倍。
リファレンスデザインでは7つのカメラを搭載でき、インサイドアウト式トラッキング用のカメラ2つ、パススルーや外界重畳MR用のRGBカメラが左右2つ、視線追跡用の内側カメラが2つ、残りをメーカーによりトラッキングの強化や表情・口唇トラッキング用などに利用可能とされていました。
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現行のOculus Questは、ソーシャルディスタンスの時代が続くことに備えてバーチャルミーティングの研究需要なのか、単にVRゲーム需要なのか在庫が途切れがち。公式の Oculus.comでは品切れが多く、ほかオンラインストア等でも入荷が先立ったりプレミアムがついていたりします。
現時点で新型が発表されていない以上、また今回のうわさでは新型が来年の可能性もあるとしていることを思えば、いま買うべきか悩むよりは買えるときに買っておくのが良さそうです。