iPhone 7からiPhone Xまで付属していた「Lightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」(以下、イヤホン変換アダプタ)が、iPhone 11シリーズから同梱されなくなりました。しかし、Lightning端子を備えたiOS 10以降が動作するiPhoneであれば、イヤホン変換アダプタは変わらず利用できます。
iPhoneに付属のイヤホン変換アダプタ、使う場面は? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
iPhone 7でイヤホンジャックが廃止されてからというもの、ワイヤレス/Bluetoothイヤホンが大人気ですが、有線イヤホンに軍配が上がる機能は少なくありません。イヤホン変換アダプタは、この有線イヤホンを最新のiPhoneで利用するための手段のひとつです。
有線イヤホンが有利な点のひとつは、オーディオ信号の処理です。Bluetoothイヤホンは、オーディオ信号が圧縮/展開されるプロセスを必ず経由しますが、イヤホン変換アダプタは未圧縮のデジタル信号を受け取り、内蔵されている小さなIC(LAM、Lightning Audio Module)でアナログ信号に変換され、増幅処理を経てイヤホン端子に伝えます。Bluetoothイヤホンは圧縮/展開の過程で信号が劣化しますが、イヤホン変換アダプタはフルデジタル処理のため理論上は劣化しません。
もうひとつは「遅延の少なさ」です。シューティングゲームや音楽ゲームのように、画面のタップなどユーザの反応を測定するタイミングが重用なアプリの場合、数十ミリ秒程度であっても遅延は致命的です。Bluetoothイヤホンは、圧縮/展開などのプロセスを踏むため遅延が避けられず、ほぼ遅延がないイヤホン変換アダプタに比べ不利です。
充電の必要がない点もメリットといえるでしょう。Bluetoothイヤホンは定期的な充電が不可欠で、バッテリーがなくなれば機能しません。電力管理が必要なデバイスが1つ減るという点で、イヤホン変換アダプタのほうが扱いやすく感じる人も多いのではないでしょうか。