AppleのAシリーズチップの生産を担う台湾TSMCは、3ナノメートル(nm)プロセスチップの2022年の量産開始に向け、来年に先行生産を計画していることを明らかにしました。今年秋の登場が期待されているiPhone12シリーズに搭載見込みの5nmチップの量産がすでに始まっているとも伝えられています。
3nmチップは5nmプロセスから大きく飛躍
4月16日に催されたTSMC投資家会議の中で、最高経営責任者(CEO)のシーシー・ウェイ氏は3nmチップの生産も5nmチップと同じくFinFET構造で行われることを明らかにし、3nmチップは5nmから「大幅な飛躍」があると強調した、とサプライヤー関連情報に詳しい台湾メディアDigiTimesが報じています。
3nmチップの量産は2022年上半期に開始される見通しで、先行生産は2021年に予定されているとのことです。
iPhone12に搭載見込みの5nmチップの生産は良好
TSMCは、今年秋の発売が期待されているiPhone12シリーズに搭載見込みの5nmチップの量産をすでに開始しており、歩留まり(生産効率性)も比較的高いとDigiTimesは伝えています。
同社は今年後半に5nmチップの量産体制にスムーズに入ることができると予測しており、今年の半導体事業の収益の10%ほどを占めるとの見方です。
iPhone SEの後継機であるiPhone SE(第2世代)が先日発表されたばかりですが、同じく台湾のAppleサプライヤーPegatronの2020年第2四半期(4月〜6月)の収益は、新型iPhone SEにより大きく伸びると見込まれています。