海は毎年数十億メートルトンという膨大な量の二酸化炭素を吸収することで、大気中のCO2を調整する大切な役割を担っている。
ウッズホール海洋研究所(アメリカ)の新しい研究によると、この海の二酸化炭素吸収源としての性能はこれまで相当に過小評価されていたのかもしれないそうだ。
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海で光合成を行う植物プランクトン
森林が光合成を通じてCO2を吸収してくれるように、海もまた光合成を行う生物を通じてそれを吸収している。
この大切な役割を担うのが、日光と炭素を利用してエネルギーと栄養を作り出している「植物プランクトン」だ。
植物プランクトンは死ぬか、動物プランクトンに食べられるかして、吸収した炭素もろとも海の奥深くへと沈んでいく。そして最終的に堆積物の中に埋まってしまうか、あるいはもっと大きな海洋生物に食われる。
こうしたプロセスによって、海全体では人間が排出するCO2の3分の1を吸収している――これが従来の見解だった。