剥がさず、医者が診ずともデータで傷の変化がわかり、治癒も早い。
一般的に包帯というと、綿で織られたガーゼが主流です。ですがフランスのスタートアップ企業によって、抗菌性で超薄型、そして導電性のグラフェンを包帯にする技術「Grapheal」が開発された、とNEW ATLASが伝えています。
これは傷の変化でpH値といった伝導率が変化し、その状態のデータをスマートフォンが読み込みクラウド保存することで、担当医と共有できるというもの。しかもグラフェンだと治癒にかかる時間が、ガーゼより早いのだそうです。
治りにくい慢性創傷の患者を助けるために
「Grapheal」を作ったのは、フランスの国立科学研究センターから派生したバイオ・テクノロジー新興企業Grapheal社です。では開発者のVincent Bouchiat氏が、開発の背景を語る動画をどうぞ。
治癒に6週間以上を要する慢性創傷は、高齢者や糖尿病患者に影響を及ぼし、その内20%が完治せずに四肢切断することになってしまうのだそうです。世界では毎年50万人以上がこの状態に直面し、フランスでは治療に10億ユーロ(約1,200億円)の費用がかかっているんですって。
そこで生まれた「Grapheal」は、治癒を早めて傷の変化をモニタリングする画期的な包帯となります。患者自身がスマホで得た情報を、担当医に送信すれば治療方針がすぐ考えられ、通院する手間も省けるのです。
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CESで撮影されたデモにて、どのようにスマホと連動するのかがわかります。
たとえば今起こっているパンデミック時などに、通院できない患者には有効なデバイスとなるでしょうね。また市場に出るのは2023年になるとのことです。「Grapheal」で包帯の常識が変わることになるでしょうか? 乞うご期待です。
2020-03-30 19:52:41