改めて述べるまでもなく新型コロナウイルスの影響は甚大だ。東京都が外出自粛を要請する以前から、会議や打ち合わせにWeb会議を用いるようになった企業は多い。記者やライターが出席する各種の発表会も、軒並みオンライン(ライブ中継)に切り替わった。
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デジタル系の国際イベントも軒並み中止となり、2020年7月開催予定だったMicrosoft Inspire 2020も対面イベント形式の中止を発表した。すでに2020年5月開催予定のBuild 2020や日本版のde:code 2020も、デジタルイベントとの開催を決定している。
プライベートに目を向けても、Netflixなどで動画を視聴する方々が増えているという。必然的にインターネットの負荷も高まり、YouTubeから既定の動画品質を480pに変更する発表もあった。
このように、ITという文脈でも大きな影を落とす新型コロナウイルスだが、ここではMicrosoftの対応状況を整理したい。まず、Windows 10 バージョン1709のサポート期間は2020年10月13日まで延長される。本来ならバージョン1709のサポートは2020年4月14日と間もなく終了する予定だったが、「我々は従業員、顧客、パートナー、コミュニティの健康と安全を最優先に考える」との理由から延長を発表した。
Windows 10を含むクライアントOSやWindows Server製品群に対しては、セキュリティ以外の更新プログラムを一時停止。Microsoftは更新プログラムのリリースタイミングをA/B/C/Dと切り分けているが(以下参照)、既知の問題に対する修正はしばらく見送られることになる。
A:Office 365などWindows以外の製品が対象
B:恒例の月例更新プログラム
C・D:セキュリティホールに起因しない更新プログラム
Windows以外では、Microsoft Teamsの利用者数が1週間で1,200万人も増加し、現在は4,400万人以上が利用中という。著しいリソース不足に陥りそうだが、日本マイクロソフトはネットワークの強化とコンピュートリソースの拡大で利用増に対応したと説明している。
冒頭のとおり、新型コロナウイルスの影響から、Microsoft TeamsやZoomといったWeb会議ソリューションに注目が集まるのは当然だろう。Office 365もネットワーク帯域消費の影響を受けて、デスクトップ版・モバイル版のOneNoteにおける添付ファイルサイズに制限を設けた。
現在は電気・ガス・水道と並ぶ生活基盤となったインターネットだが、テレワーク需要増に伴うリソース不足は予想外だったのではないだろうか。Microsoft CEOのSatya Nadella氏はLinkedInで従業員に向けたメールを公開し、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行へ対応を明言している。Microsoftを含めたIT企業に対しては、ネットワークリソース消費に伴う影響を緩和する技術開発を期待しつつ、新型コロナウイルスとの闘いを応援している。