「すごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました」
神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎医師が、新型コロナウイルスの感染者が続出する「ダイヤモンド・プリンセス号」の内部に入り、その惨状をYouTube動画で「(船内は)ウイルス培養器」と暴露したのは2月18日のこと。世間からは「勇気ある行動」と賞賛の声が挙がる一方で、「恐怖を煽った」との批判も少なくなかった。
ダイヤモンド・プリンセス号
あれから1カ月半、世界中で人々の生活は一変した。ヨーロッパ各国は相次いで「外出禁止令」を出し、日本でも3月28日、29日の週末は東京都と隣接4県で外出の自粛が求められた。
しかし、3月28日には国内で1日に確認された感染者の数が、初めて200人超え。国内で確認された感染者の数は、空港の検疫で見つかった人やチャーター機で帰国した人なども含めて計2436人、死亡者は計65人となった。そのうちクルーズ船の乗客・乗員の感染者は712人、死亡者は10名にのぼる(3月28日時点)。
3月4日、下船後の「自主隔離」を終えた岩田医師と、『週刊文春WOMAN』 はメディアで初めて対面した。『週刊文春WOMAN』2020春号に掲載した岩田医師のインタビューを、緊急転載する。