国立国際医療研究センターは23日、新型コロナウイルスによる肺炎患者を対象に、エボラ出血熱の治療薬として開発中の「レムデシビル」を用いる国際的な医師主導臨床試験(治験)に参加し、今月にも投与を始めると発表した。
レムデシビルは米ギリアド・サイエンシズ社がエボラ出血熱の薬として開発を目指していた。新型コロナウイルスに関しては細胞を用いた実験でウイルスの増殖を抑える効果が高いと報告され、米国立衛生研究所(NIH)を中心に国際共同治験が始まっている。
投与対象は肺炎を起こした20歳以上の患者で、他国と合わせて約440人を予定。レムデシビルを最長10日間投与するグループと偽薬を投与するグループに分け、15日目の症状を比べる。
同センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「一日も早く治療薬が欲しいが、科学的な手続きを踏んで薬を選ぶ必要がある」と治験の意義を強調した。