デバイスだけでなく肛門も開発されていないとできない芸当。
オランダの芸術家が、肛門の括約筋でロボットを操縦するパフォーマンス・アートを発表しました。開発したのはDani Ploegerさん。彼は市販の肛門電極プローブをハッキングし、2年がかりで革新的な肛門電極駆動インターフェイス・システム「B‒hind」を完成させたのです。
MOTHERBOARDによりますと、このアート作品は2月7日にロッテルダムにある、芸術とメディアと科学技術の学術的なセンターV2_Labのイベントで発表された、とあります。
実際にプレゼンテーションされたときの様子がこちら。特に1:38辺りで彼が後ろを向くところからが見ものです。サムネイルからしていきなりですが、直腸内の映像も出てくるので閲覧注意でどうぞ。
完全にアナル・コントロールされたIoTロボットには、謎の茶色い汚れが…。
発明の動機と観衆の反応
Ploegerさんは、IoT機器は声や手で制御するものばかりだが、もしそれらが使えなかったらどうやって操作すればよいのか? という疑問と失望が原動力となり「B‒hind」を生み出したと話しています。
ちなみにですが、この発表で難色を示した観客が数名、自ら試してみたいと興味を示した人が2名、そして使用済みで真空パックされた「B‒hind」を購入したアートコレクターが1名いたようです。茶色い汚れが付着したままなのに、そこに価値を見出したわけですね。
使用器具
このプロジェクトに使われたのは、肛門および膣内の筋電をフィードバックする医療用デバイス「Anuform」です。これは男女ともに、いずれかの穴に挿入することで、肛門括約筋と骨盤底筋を刺激し、緩んだ筋肉が自然に収縮できるかを調べるためのものとなっています。
それに目をつけたPloegerさんは「Anuform」をハッキングし、体内で検出される電気信号でロボットを動かし、直腸内の映像と音声も拾えるよう改造したのでした。
過去に作られた肛門電極楽器
「B‒hind」の前には腹膜の筋電を検知し、括約筋の収縮を音に変換する「Electrode」という、同じ要領の肛門電極楽器が作られたことがあります。「B‒hind」は、これが下地になっているんですね。
こちらもイチモツがチラ見えするので、閲覧注意でどうぞ。
バット・ホールがコンサート・ホールに早変わり。前衛的かつ芸術的な音です。
予想外の未来になってしまった
ウェアラブルなガジェットからIoTデバイスを操作する、いわば“未来がやって来た”世界にいる私たち。しかしまさか、おケツの穴でロボットをコントロールする時代が到来するとは…。どんな科学者でも夢にも思わなかったことと思います。
Ploegerさんの場合はロボットを操縦するのですが、このおかげで人々はおケツの締り具合によりIoTデバイスを操作できるようになるのです。
IoT業界に括約筋が活躍する日は来るか?
「B‒hind」を使えば、「おーけーぐーぐる」とか「あれくさ!」とか声を発することなく、括約筋をキュっと締めるだけで音声アシスタントが起動することでしょうね。ですが音声で操作する多機能スマート・トイレだけは、肛門電極駆動インターフェイスをスポンと抜かないといけませんね。
世の中には声も出ず、手足も不自由な人が少なからずいることでしょう。必ずしも肛門で家電を操作する必要はありませんが、「B‒hind」は新たな扉を開くカギになりそうです。