Twitter(ツイッター)は新年に当たって、学術的な研究者が情報にアクセスしたり、APIについてのサポートを得るのが簡単になるよう、専用の新しいハブを用意した。この動きは、研究者コミュニティからのフィードバックに応えるものだと言う。
新しいページは、「Twitter data for academic research」(学術的研究のためのTwitterデータ)と呼ばれ、ここからアクセスできる。
そこには、開発者アカウントを申請するページへのリンクが含まれている。開発者アカウントからは、TwitterのAPIへのアクセス、提供されるさまざまなAPIの詳細情報、さらに研究者向けのツールが利用可能となる。ツールには、データの統合とアクセス機能、分析、視覚化、インフラストラクチャとホスティング機能などが含まれる。
「この1年間、私たちは学術的な研究コミュニティの多くの人々と協力してきました。それにより、研究者が直面している課題について学ぶことができました。そして、どうしたらTwitterが研究者をもっとサポートして、この公の場での会話について深く理解することを手助けできるのか、についても学びました」と、Twitterは記している。また、「公の会話からさらに簡単に学べるようにしたい」とも考えているのだという。
さらにTwitterは、今年も、研究者に対して「さらなる機能強化とリソースの提供」を約束している。
2020年は、米国にとって重要な選挙の年であり、新たに選挙に干渉してしまうリスクに対する懸念が高まっていることを考えると、このタイミングでTwitterが学者向けに提供する機能を化粧直ししてきたのもうなずける。
Twitterでの会話の流れを追跡する際には、どうしても「ボットか、そうではないか」という判断を迫られることになる。これは、民主主義の健全性に大きな影響を与えるもの。またヨーロッパでは、Twitterは、他のいくつかの大手プラットフォームと並んで、偽情報に対する自発的な行動規範に2018年に署名した。それにより、偽アカウントやオンラインボットに対処することにコミットしたことになる。さらに、研究コミュニティによるプラットフォームデータへの「プライバシー準拠」アクセスを可能にし、オンラインの偽情報を監視する権限を与えることにもなった。
「Twitterでは、学術的な研究者の貢献を高く評価しています。私たちのプラットフォームをよりよく理解し、何がどうなっているのかを把握し、発見と革新によって新たな課題に取り組むのを助けてくれるだけの潜在能力あると見ています」と、研究者向けの新たなランディングページに記している。また、自らのプラットフォームの価値を持ち上げることも忘れずに、「この世に存在するものは、たいていTwitter上で話題になるものです」とも書いている。
もしTwitterが、研究者と、そのニーズに積極的に関与するという約束を守ることができれば、学術的な利用をサポートすることに失敗しているライバルのFacebookを、うまく出し抜くことができるかもしれない。
昨年Facebookは、自らのAPIにおいて、研究者に対する「透明性の洗浄」を行ったとして非難された。そして60人の学者グループは、広告アーカイブAPIを、役立つどころか害になると非難した。
それから数カ月経つが、FacebookはAPIを改善するために、ほとんど何もしていないと報告されている。