アクセンチュア(NYSE:ACN)は、 Broadcom, Inc.(NASDAQ:AVGO)から、 シマンテックのサイバーセキュリティサービス事業を買収することに同意したことを発表した。
この買収により、 アクセンチュア・セキュリティは世界レベルでのマネージド セキュリティサービスのさらなる強化を実現し、 近年急増するユーザーからのセキュリティ支援要請に応える。 本合意の条件は非公開となっている。
シマンテックのサイバーセキュリティ関連サービスには、 セキュリティオペレーションセンター(SOC)のネットワークを介した、 グローバルで発生するサイバー攻撃の監視と分析、 サイバー攻撃者および業界固有の脅威に対するリアルタイムな捕捉・分析、 およびインシデント対応サービスが含まれている。
シマンテックでは、 米国、 英国、 インド、 オーストラリア、 シンガポール、 および日本の6ヵ国にSOCを保有しており、 サイバー攻撃に関するログ収集や技術的情報を安定した通信環境から提供している。
アクセンチュアの最高経営責任者であるジュリー・スウィート(Julie Sweet)氏は次のように述べている。
「サイバー脅威に対して適切なセキュリティ策を講じることは、 業界や場所を問わず、 すべての組織にとって最も重要な事項と言えるでしょう。
アクセンチュア・セキュリティにシマンテックのサイバーセキュリティサービス事業が新たに加わることにより、 サイバー攻撃の脅威の早期検出から対策に至るまで、 世界で最も包括的なマネージドサービスを提供できる組織の一つとなります。 」
アクセンチュア株式会社 執行役員 セキュリティ コンサルティング本部 統括本部長の市川 博久氏は次のように述べている。
「日本でセキュリティビジネスを事業化して2年が経過しました。 立ち上げ当時と比してセキュリティ事業に携わる社員数は10倍以上、 売上はそれを凌駕する勢いで成長を遂げています。
この成長の背景には、 日本におけるデジタルトランスフォーメーションの浸透、 ならびに複雑、 巧妙化するサイバー犯罪の手口、 さらには国境を超えるサイバー犯罪組織の関与などによって、 もはや一企業では対応しえない状況と、 真の意味でアクセンチュアがエンド・ツー・エンドでセキュリティサービスを提供する企業である差別化が進んだ側面があります。
マネージドセキュリティサービスの提供においては、 日本にも拠点を構えるサイバーフュージョンセンターにてお客様が保有するアセット情報を、 脆弱性情報や脅威インテリジェンスなどと突合して、 サイバー攻撃からの早期防御、 最新鋭の予兆運用を実現しています。
今回の買収は、 増え続ける日本のお客様からのニーズに合致するものです。 アクセンチュアでは、 マネージド セキュリティサービスをさらに拡張させると同時に、 シマンテックのサイバーセキュリティサービス事業に従事してきた高度なセキュリティ人材を迎え入れることで、 サービスの高度化を図ってまいります。 」
現在、 シマンテックのエンタープライズ向けセキュリティサービス事業はブロードコムの事業部門の一つであり、 その拠点は米国カリフォルニア州マウンテンビューにある。
世界中で300人以上の専門家を擁し、 金融サービス、 公益事業、 医療、 行政、 通信・メディア・ハイテクや小売など、 さまざまな業界のトップクラスの組織にサービスを提供している。
シマンテックのサイバーセキュリティサービス事業の副社長兼ゼネラルマネージャーである、 ジョン・リオナト氏(John Lionato)は次のように述べている。
「アクセンチュア・セキュリティに加わることは、 世界中のお客様とサイバー脅威と戦う戦士にとって、 大きなチャンスとなります。 アクセンチュアとシマンテックの業界有力企業である2社が持つ競争力の高いサービス、 機能、 ソリューションを融合させることで、 次世代のサイバーセキュリティサービスを提供することができます。 」
アクセンチュアでは2019会計年度に、 約12億米ドルを投資して世界中で33件の買収を成功させ、 戦略的で高度な成長分野において重要なスキルと能力を獲得。本買収は、 商習慣に基づく完了条件に従って実行され、 2020年3月に完了する予定だ。