これくらいのポジションを待ち望んでいた人、きっと多いハズ。
CES2020にて、ワコムが新しい液晶タブレット「Wacom ONE」を発表しました。お値段4万2900円(税込)と非常にリーズナブル。お手頃な液タブが年々増えてきて、良い時代になったなぁと実感する次第です。
発表に先駆けて触らせてもらえる機会があったので軽くハンズオンしてみましたが、終始「これ楽しいな」と言っちゃう仕上がりでした。さてさて、どのへんが楽しかったのか、お話させてくださいな。
もっとも間口の広い入門機
まずはスペックをば。13.3インチディスプレイで解像度はフルHD(1920×1080px)、筆圧レベルは4096段階、傾き検知搭載。ほかは「Wacom Cintiq」と似た仕様で、アンチグレアフィルムディスプレイNTSCカバー率72%、マルチタッチおよびオプティカルボンディング非採用といったところ。iPhone 8 Plusと比較してみると、かなーりコンパクト。
サイズ感はこれくらい。iPad Pro 12.9インチより一回り大きく、やや横長気味。でも重量はあまり感じません。公称重量は1kg。タブレットのようにも見えがちですが、AC電源で駆動します。OSも非搭載です。
背面には19度固定のスタンド。正直、このスタンドがあるだけで多くのタブレットにリードしてる感すらある。タブレットで絵を描くときは背面にクッション的なモノや腕を敷く人も自分を含めて少なくないと思うんですが、どうでしょう。端子はワコムの独自端子。
背面およびベゼルはザラリとした白いプラスチック素材。液タブで白って珍しいですね。スタンド収納部には替芯が3本付属。
理想的な、「ただの描けるディスプレイ」
性能的な予習が済んだところで、どうして僕がこやつにワクワクしたのかをお話しましょう。昨今、デジタルで絵を描くならiPadのようなタブレットやSurfaceも選択肢になります。「描き味の良さ」を最優先事項として選ぶならやはり液タブが筆頭候補になってきますが、そこまで絵を描くことに本気でない人、あるいは、まだそうなるかもわからないくらい初心者な人にとってはハードルが高い選択では?
そういった絵描き初心者に向けた液タブもワコムは揃えていますが、「Wacom ONE」はさらに一歩引いたポジションを取りました。すなわち、デジタル環境においての手書き作業全般に使ってください、という立ち位置。絵を描くだけでなく、たとえばPDF校正や図面引き、メモがてらのデジタルノートのような使い心地です。