2020年最初のあさイチは、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などの「キャッシュレス決済」特集だった。
急速に広がりを見せるキャッシュレス決済だが、セキュリティーへの不安や、企業や国が決済データを把握することへの恐れから、なかなか使用に踏み出せないという人は少なくないだろう。
森田洋平アナ「私たちのデータはどのように使われているのでしょうか」
決済データから「全部見抜かれてるって感じ」
ある決済会社の例では、ユーザーがスマートフォンにアプリをインストールした時点でIDが登録される。例えば「ID001」のユーザーが1月6日に靴を買うと、その日付と場所、金額がIDと紐付けられて決済会社に送られる。1人1人の決済データは買い物のたびに蓄積される。
集まったデータを来店回数ごとに並べ替え、新たに来店した「新規」、何度も来店している「リピーター」、一度来店したもののその後ほとんど来ていない「休眠顧客」に分類。リピーターにはまた店を訪れたくなるようなクーポンを、休眠顧客には割引率が高めのクーポンを配信するなど、それぞれの客にターゲットを絞った販売戦略を展開する。
博多華丸キャスター「がんじがらめですね。全部見抜かれてるって感じですね」
ゲストの富田靖子さん(女優)「見抜かれてるけど、その分いいクーポンがいただけるという利便もあるので、悪いことばかりではなさそうですね」
中央大学の宮下紘准教授「社会全体としても、ビッグデータの活用が進めば、新商品の開発や効果的なPR、広告を打つことができます。すると経済が活性化していく。このようなメリットがあることは確かです」
ただし、決済データとスマホの位置情報、Webの閲覧履歴、SNSなど他のデータが結びつくと、匿名のユーザーのはずが、特定の人物が浮かび上がる情報を企業が握る可能性もある。
富田さん「自分の趣味とかは勝手に知られたくない。自分を守るためにはどうしたらいいですか?」
宮下さん「現金で支払えば利用履歴は残らないので、個人データは知られません。10円のクーポンをもらうということは10円で自分の個人データを売ることになります。どこからキャッシュレスで支払うか、どこから現金を使うか、自分で境界線を設定する。例えば自分が風邪を引いたことは知られたくないから医薬品は現金で支払う。スーパーなどではカードで支払うなどの線引をするのが重要だと思います」