【ワシントン=中村亮】複数の米メディアは3日、トランプ政権が米兵3000人前後を中東地域に追加派遣すると報じた。イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害を踏まえ、同国による報復攻撃に備える狙いがある。トランプ大統領はフロリダ州で記者団に対し「戦争を招く行動はとっていない」と指摘し、イランとの戦争は望まない立場を強調した。
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米メディアによると、増派規模を3000~3500人とする方向で調整が進んでいる。空挺(くうてい)師団の即応部隊が派遣対象となり、クウェートやイラクに駐留する見通しだという。米軍は2019年12月末に750人のクウェート派遣を発表したばかりだが、司令官殺害を受けて規模を拡大する方向だ。イランは増派に反発する公算が大きい。
トランプ大統領は3日、記者団にソレイマニ氏が米外交官や米兵を標的に「差し迫った悪意のある攻撃を計画していた」と指摘し殺害を正当化した。国務省高官によると、ソレイマニ氏がイラクとレバノン、シリアで攻撃を計画していたといい、数百人の米国人が殺害される可能性があったという。
ポンペオ国務長官は3日、FOXニュースのインタビューでイランが報復措置として米国に対するサイバー攻撃を仕掛ける可能性に触れた。「イランは優秀かつ複雑なサイバー能力を有しているのは確かだ」と指摘した。米国のインフラなどに対する攻撃を警戒しているとみられる。