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米軍、イラン精鋭組織の司令官殺害 イランは「暴挙」

【ワシントン=中村亮】米国防総省は2日、イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官を空爆で殺害したと発表した。トランプ大統領の指示を受けた措置で「海外の米国人を守るためだ」と説明した。イランのザリフ外相はツイッターで「暗殺は愚かで危険な暴挙だ」と猛反発しており、報復攻撃に踏み切る恐れがある。中東での米イランの緊張が一気に高まる公算が大きく、世界の原油の安定供給にとってもリスクになる。

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米国防総省は声明で、ソレイマニ氏が中東地域で米外交官や米兵を標的に攻撃を企ててきたと主張した。12月31日にイラクの米大使館襲撃も同氏が承認していたと指摘。米国務省によるとイラクでは2019年秋以降に駐留米軍などを標的にした攻撃が10回以上あったが、これらにもソレイマニ氏が関与していたという。

一方で国防総省は空爆について「将来的なイランによる攻撃計画を抑止するためだ」と指摘し、防衛的措置だと説明した。コッズ部隊はイランの対外工作を担う組織で、米国はイランの中東地域での影響力拡大において中心的役割を担ってきたとみなし、外国テロ組織にも指定してきた。

イランに圧力をかけながら対話も模索してきた米外交にとって転換点になる可能性もある。トランプ氏は19年6月に米国の無人機が撃墜された際に報復措置であるイランへの空爆を直前で中止。9月に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃もイランが実行したと断定したが、同国に対する軍事攻撃は見送った。司令官殺害でトランプ政権のイランに対する強硬姿勢が一気に鮮明となった。

司令官殺害を受けて、イラン指導部が米国に対する報復措置に出る可能性がある。革命防衛隊は国軍とは別のイランの最高指導者であるハメネイ師の直属組織で、コッズ部隊はその中核を占めている。イランや同国傘下の武装組織の攻撃で米国に死傷者が今後出れば、中東情勢がさらに緊迫するのは避けられない。



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