約79万年前、ラオス南部に巨大隕石(いんせき)が衝突して生じたとみられる粒子の顕微鏡写真。埋没クレーターの近くで採取(シンガポール・南洋理工大提供)
巨大な隕石(いんせき)が約79万年前にインドシナ半島に衝突した場所はラオス南部であり、クレーターの直径は13~17キロである可能性が高いと、シンガポールの南洋理工大などの国際研究チームが2日までに発表した。その後の火山噴火による溶岩でクレーターが埋まったと考えられるという。
論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
この隕石衝突によって生じた「テクタイト」と呼ばれるガラスの粒子が飛散した範囲は広く、アジア南部から太平洋西部、インド洋、オーストラリア、南極大陸の一部にまで及ぶ。発見された粒子の量や大きさに偏りがあることから、インドシナ半島のどこかにクレーターがあるとみられていたが、正確な場所が分かっていなかった。
研究チームはラオス南部やタイ東部で見つかったテクタイトの化学分析や重力測定による地下構造の推定、地質の年代測定などにより、クレーターの場所や大きさを絞り込んだ。