購入したApple Watchが起動しないと思ったら展示用のダミーユニット(模造品)だった――にわかには信じがたい話が米オクラホマ州で発生しました。
動かない理由は壊れているからではなかった
米大手小売チェーンWalmartからの帰り道、ブルーノ・ボーくんは車の中で興奮していました。ついに憧れのApple Watchオーナーになったからです。
ブルーノくんの笑顔はすぐに失望へと変わりました。起動しなかったからです。その時はバッテリー残量がないのだと思い、帰路につきました。ところが自宅に戻って丸1日充電しても、一向にApple Watchが動き出す気配はありませんでした。
Walmartに問い合わせると、動かないのならApple Storeに持ち込むべきだとの返答が帰ってきたため、母親のクリステンさんはストアまで足を運びました。しかしApple Storeの店員から帰ってきた返事は、予想だにしない内容でした。「ええとですね、これは展示用です。動くわけがないんですよ」
Walmartはそっけない態度
Apple Watchをよく見ると、ディスプレイこそ搭載されているものの、プラスチックでできた精巧な展示品でした。リューズ部分は時計に装着されておらず、ボタンは押すこともできませんでした。なぜ展示品が471ドル(約51,500円)の製品として紛れ込んでいるのか――戸惑いながらもクリステンさんは、Apple Watchを購入したWalmartに問い合わせました。ところが担当者から帰ってきたのは、にべもない返事でした。「返金にも交換にも応じないと言われました。『おたくが何か小細工してないと、どうやって分かるんだ?』って」
改めてWalmartの本部に問い合わせると、一旦は「善処します」との返事が来ましたが、3週間経っても事態は進展せず、最終的にマーケットマネージャーの判断で、返金交換に応じないことが決定されたそうです。
埒が明かなくなったクリステンさんはFacebookで事の顛末を公開、現地メディアが取材する事態にまで発展しています。その場で動作するかを確認すれば、ここまで話がこじれることはなかったでしょう。しかし、そこらの怪しげな通りで購入した非正規品ならともかく、Walmartで購入したApple Watchを疑えというのは酷というものでしょう。一方、Walmart側の言い分も分からなくはありません。真相の究明が待ち望まれます。