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日本最速ユニコーン企業「サカナAI」が語る「OpenAIとは競争しない」3人が目指す到達点

2025年1月24日発売の「Forbes JAPAN」3月号では、「インパクト100」「AI50」「CIOアワード」「SVJP」の4大特集号だ。第1特集では、日本経済を進展させる「新しい主役」になるだろう「インパクト・エコノミー」にフォーカス。「『日本のインパクト・エコノミーの未来』を創る100人」や元ユニリーバCEOのポール・ポルマンの独占インタビューなどを掲載。第2特集では「JAPAN’S AI 50」と称して、日本発AIスタートアップ50選を公開。第3特集では、「CIO AWARD 2024-25」を発表!。第4特集では日本とシリコンバレーのトップが集う会員制プラットフォーム「SVJP」を紹介している。表紙は、今最も注目を集めている、日本最速でユニコーン企業になったSakana AIの3人だ。

一度聞いたら忘れられない社名のAI企業が、大型の資金調達を実現して世界を驚かせた。SF的な世界と現実のギャップを埋める──。日本発のAI企業が考えるAIの未来とは。

2024年晩秋、都内にあるシェアオフィスは、スーツ姿やカジュアルな格好をしたビジネスパーソンで賑わっていた。そこにオフィスを構えるデイビッド・ハは、賑やかなロビーを見回して言った。

「アートからアカデミアまで、いろいろな業界のかたと会えて面白いんですよ。新しいアイデアにもつながります」

ハは、東京に本社を置く人工知能(AI)の研究・開発(R&D)企業「Sakana AI(サカナ AI)」の共同創業者兼CEOだ。ゴールドマン・サックスのトレーダーからグーグルのAI研究者に転身した彼は、23年に元グーグルのライオン・ジョーンズ、外務省やメルカリで働いた経験をもつ伊藤 錬と3人でサカナAIを立ち上げた。

同社は、24年1月にシードラウンドで、米ベンチャー投資会社(VC)のLux CapitalとKhosla Ventures、NTTグループ、KDDI、ソニーから3000万ドルを調達。シリーズAではNVIDIAをはじめ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、NEC、SBIグループ、第一生命、伊藤忠グループ、ANAホールディングス、東京海上日動などから約300億円を調達し、評価額2250億円のユニコーン(評価額が10億ドル以上の未上場企業)へと成長した。

当然、世界中から入社希望者が殺到しているが、サカナAIは少数精鋭主義を取るため、創業者たち自身で手を動かさなくていけないこともある。バックエンド機能の付いたシェアオフィスは便利だという。それに資金も節約できる。

「お金は人材に使いたいので」(ハ)

自社ロゴもハの手作りだ。一匹の赤い魚が、黒い魚の集団とは逆の方向へ向かって泳いでいる。これには、主に二つの意味が込められている。一つは、小さなAIモデルを使って大きなパフォーマンスを発揮するというサカナAIの決意。

もう一つは、集団思考に同調することなく、主体的に行動しようとする意思表示だ。同社は「進化型メタ最適化」という手法を用いて、基盤モデルを進化させている。これは、生物の進化を模倣し、AIモデルを自動的に改善する手法であり、研究開発のコストを大幅に削減できる。



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