Gmailへの攻撃が続いているうえグーグルユーザーが新たなセキュリティ脅威の影響を受けていると警告が出されている現在、Androidスマートフォンの利用者はハッカーや詐欺師からますます狙われる状況にある。
ただし、リスクにさらされているのはAndroidユーザーやGoogleアカウントの所有者だけではない。最近の調査ではiOSデバイスがAndroidよりも多く狙われている可能性が示唆され、Apple IDへの攻撃に備えるようiPhoneユーザーにも警告が出ている。FBIもAndroidとiPhoneのすべてのユーザーに対し、家族や友人と「秘密の合言葉」を共有することで攻撃成功のリスクを減らすよう促している。
しかし、どちらの端末を使用していても被害を回避するために活用できる、シンプルかつ無料のチェック方法がグーグルとアップルから提供されている。以下に行うべき対策を示す。
すべての人が今すぐ実行すべき簡単なセキュリティチェック
AndroidもiPhoneも、それぞれのユーザー向けに簡単かつ効果的で、あまり時間もかからないセキュリティチェックツールが用意されているにもかかわらず、多くの人がその存在を知らないようだ。
こうしたチェックの必要性を訴えているのは筆者だけではない。ESETのグローバルサイバーセキュリティアドバイザーであるジェイク・ムーアも「グーグルとiPhoneのセキュリティチェックは、自分のアカウントが脆弱になっていないかを確かめるうえで、簡単かつ重要な方法です。デバイスの安全性チェックを行うことは、個人データを守り、プライバシーやアカウントアクセスを見直し、パスワードがすべてユニークかどうかを確認する最適な方法なのです」と話している。
これはすべてのスマホユーザーが認識し、まだ実行していない場合は今すぐに行うべき対策なのだ。
グーグルが提供しているアカウントの「セキュリティ診断」は、Androidスマートフォンを攻撃から守りたい人なら必ず利用すべきものだ。これはGmailへのハッキングに懸念がある場合でも、Googleアカウントやデバイスを狙う攻撃を心配している場合でも、包括的なGoogleアカウント保護の上で常に推奨されている。
手順はシンプルで、「サードパーティの接続」や「最近のセキュリティのアクティビティ」、アカウントの復旧オプション、機密性の高い設定などを段階的に確認できる。グーグルが定期的に実施を促す場合もあるが、すべてのAndroidユーザーが少なくとも月に1回はこのチェックを行うべきだ。
iPhoneの「個人情報安全性チェック」
iOS 16以降を利用しているiPhoneユーザーはアップルの「個人情報安全性チェック」を定期的に実行することが望ましい。グーグルのチェックほど包括的ではないが、まだ一度も使ったことがないなら、今すぐ確認すべきだ。
アップルの「個人の安全ユーザガイド」によると、この個人情報安全性チェックは「特定の人物やアプリと共有している情報をすばやく確認・更新し、共有を停止できる」機能を備えている。具体的には、あらゆる情報共有を一括で停止する「緊急リセット」と、共有やアクセスを管理する「共有とアクセスを管理」の2つのオプションがある。また、デバイスの盗難防止機能が有効かどうかも示してくれる。ヒントとしては、必ず有効にしておくべきだ。iOS 16以降なら、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「個人情報安全性チェック」で利用できる。
ムーアによると「デバイスのOSを定期的にアップデートすることは不可欠だが、一般的なアップデートでは既知のデバイス脆弱性にしか対処できない場合がある」という。その点、「グーグルやアップルのセキュリティ診断や個人情報安全性チェック」は、将来発生しうるセキュリティ問題を見極めるために、一歩先を行く方法だ」というわけだ。